こんにちは、石飛です。最近の私にしては珍しく連続投稿しています。
さてイキナリですが、雪国の地面は凍ります。

アスファルトだろーがコンクリだろーがもうカッチンコッチンです><。
「そんな当たり前のことを今さら・・・」とか言われてしまいそうですが、私を含めこの寒さを初めて体感する牧場スタッフも多く、ドカ雪が降るたびに「ウオオ!」なんて叫んでしまいます。
しかし、私たちもただ手をこまねいてきたわけではありませんでした。なんとか牧場の牛舎や乳製品製造棟周辺の道路を凍らないようにできないかという計画を水面下でひっそりと(隠す必要性はゼロですが 笑)進行していたのです。
そもそもの発端は、この春から夏にかけて日本畜産界を震撼させたあの「口蹄疫」でした。このときは宮崎県内で封滅されたのですが、今後もこの脅威がまたやってくることは充分に考えられます。そこで中洞牧場では外部からウィルスや菌の流入を防ぐ手立てを模索しており、その一環として車両消毒設備を作ってしまおうということになったのです。しかし車両消毒は基本的に車のシャーシやタイヤへ消毒液を吹きかけるもの。この岩泉地域では、冬の寒さが厳しいときにそんなことをすればたちまち消毒液が凍りつき、地面は白銀のスケートリンクへと化してしまうでしょう。
そのため、車両消毒設備の前に冬でも地面を凍らせないための設備を検討することになったのでした。
しかし!業者さんに見積もっていただいたところ、その導入だけでン百万円は下らないとか!これはオイソレと決められません・・・。
ん?まてよ・・・?水は0℃以上であれば凍りませんよね。暖かい水を地面の下で循環させたら凍らないのでは?さらにここには配管作業をプロ並みにこなす中洞牧場長もいます。これはもしかしたら自分たちで作れるかも!なんて安易な発想から道路を凍らせないための設備を自作しようと考え、東京本社にも大見栄を切ってしまったのでした。そうしたら「じゃあ今年はその案をテストしてみようか」ということに。責任重大ですね。
で、それからしばらくして、そろそろ寒さを感じ始めた10月下旬(遅!)、こんな大事な仕事を忘れていた自分のお尻をたたきながら3日かけて設計図を描きました。

ものすごーく曖昧な図面ですね^^; これは牛舎に併設されたミルクポンプ室の出入り口です。例年屋根からの雪解け水が凍って歩くのが危険だったそうで、その解消もかねてここの場所でテストを行うことになったのでした。
中洞牧場長にもいろいろとアドバイスをもらいながら配管資材を調達し、恐るおそる組んでいくことに。この間も風邪でぶっ倒れたりしたことでさらに作業は遅々として進まず、作業開始から約1ヶ月もかかってしまうことに><。
で、現在の状況はというと・・・。

いかがなもんでしょう、骨組みの見た目はなんとか取り繕うことができました。今後、ブルーの配管の上にコンクリートを流し込んで完成します。
それではこの「路面凍結防止システム(大げさな・・・)」の細かいところもご紹介しましょう。

上の写真左は温水タンクと投げ込み式ヒーター、この設備の中枢ですね。ここで温水を作ります。ただ、この段階で水の温度は5℃程度。正直、本当に効果がでるのか心配になる温度です。写真中央は循環ポンプです。心臓部といえる部分で、タンク内で温められた水を配管内に送り出します。パイプの先がタンク内に戻っているので水は循環してパイプを暖め続けるという仕組みです。そして写真右。これも重要な部品でサンジュニア社の「節電サーモ」という装置です。電源コードからサーモスタットが伸びているという代物ですが、外気温が0℃以下になると通電するという仕組みで、まさにこの装置の理論にうってつけです。これをポンプの電源にかませることで省エネも実現できるようになりました。
さて、この状態で一晩おいてみると・・・

おお、あたりはマイナス5℃だというのに、パイプの周りでは雪が融けています!これは期待できる!!
もうお気づきの方も多いかと思いますが、このシステムで重要なことは、パイプの上に打設した“コンクリートの表面温度を0℃以上に保つことが出来るか”に尽きます。ただ、そのためにいったいどれだけ水を温めればいいか、そんな計算できっこありません。胸を張っていいますが私は文系なのです。なので、今後も投げ込み式ヒーターを追加したり温水タンクを断熱仕様にしたりと、さらなる試行錯誤を加えながら作っていくことになる思います。その結果はまた続報でお伝えしますので、どうぞご期待ください!